いかりや長介さんの手紙
6月
23日
2024
志村へ
この手紙をもって 俺のコメディアンとしての 最後の仕事とする。 まず、 俺の芸能人生を解明するために、 DVDを買うようお願いしたい。 以下に、 コントについての愚見を述べる。 コントを考える際、 第一選択はあくまで 「笑いを取れば勝ち」 という考えは今も変わらない。 しかしながら、 現実には若手芸人の多くがそうであるように、 他人をバカにして笑いを取ったり、 素人にツッコミを入れるだけで 内輪受けに走っている事例が しばしば見受けられる。 その場合には、 企画段階から綿密な計算と準備が必要となるが、 残念ながら未だ満足のいく コントには至っていない。 これからのコントの復活は、 綿密な企画立案、 それとライブの復活にかかっている。 俺は、 志村がその一翼を担える 数少ない芸人であると信じている。 能力を持った者には、 それを正しく行使する責務がある。 志村には コントの発展に挑んでもらいたい。 遠くない未来に、 素人いじりや他人をこき下ろすコメディが この世からなくなることを信じている。 ひいては、 俺のネタを研究した後、 計算された笑いの一石として役立てて欲しい。 「「リーダーは活ける師なり。」」 なお、 最後に、 お笑い芸人でありながら、 多数の人を泣かせて旅立ったことを、 心より恥じる。
いかりや長介
特に、
「現実には若手芸人の多くがそうであるように、 他人をバカにして笑いを取ったり、 素人にツッコミを入れるだけで 内輪受けに走っている事例が しばしば見受けられる。
この文章。
十数年前になりますが、
何気なく観ていたテレビにて、
ウクレレ漫談の牧 伸二さんのインタビューでも、
「最近のお笑いは「芸」じゃない。
昔は「楽屋ネタ」って言って、
そんなネタをお客様にお見せしようものなら、
師匠から芸の無さを馬鹿にされたもんだ。」
ってお話しされていたのを思い出しました。
ボクはプロの美容師です。
同じプロですから、仰る意味が身に染みて理解出来ます。
店主